飲食店 ホテル 商業施設テナント 開業コンサルティグ
飲食店の年間開業数は、業界推定で約6万~8万件にのぼります。
一方、2024年の倒産件数(負債1,000万円以上の法的整理)は894件と、
過去最多を更新しました。 また、中小企業庁によると宿泊業・飲食サービス業全体の廃業率は5.6%となっており、
新規開業後1年で約30%、3年で半数以上が閉店すると言われています。
【理由と課題】
なぜ、こんなにも閉店数が多いのか。
それは、しっかりとした計画と実行力、資金力に問題があったことです。
具体的には、安易に「料理が好きだから」「料理を作ることが好きだから」などの理由から減価率や利益構造、
集客方法を甘く考えていたり、、 開業資金がギリギリで運転資金が枯渇して閉店というケースも多くあります。
飲食店は事業です。無計画や資金量不足などが発生しないように 開業までに計画、資金調達を考えて飲食店の開業に臨みましょう。
【AI活用は補助!では、成功の鍵とは】
最近、chatGPTやGeminiなどのオープンAI活用による開業手法で開業を目指す方々が多いと思いますが。

「ちょっと待ってください。」
オープンAIは、インターネット上にある情報から生成された情報であり、
一般的な回答しか得られないのが現実です。
飲食店開業に必要なのは、
下記の「開業準備の具体的なステップの実行が不可欠です。

飲食店 開業コンサル

開業準備の具体ステップ

  • ステップ1:市場調査と業態・コンセプトの設定
    出店物件から市場調査、業態、コンセプトと決める方法と、
    業態、コンセプトを先に決めて、出店物件を探す方法があります。

    【出店物件から市場調査、業態、コンセプトと決める方法】
     メリット
      業態やコンセプトに縛られない分、物件が見つかる確率が高いこと
      そして、地域の消費者を調査した上での業態、コンセプトの設定であるため、成功率も高くなります。
     デメリット
      業態が決まっていないことで、調理スキルや経営スキルの対応力が必要です。
      なので、難しいと判断したら「開業コンサルタント」を活用することをお勧めします。

    【業態、コンセプトを先に決めて、出店物件を探す方法】
     メリット
      自分のスキル+(経営、調理など)を活かせる業態やコンセプトの設定ができます。
      市場調査や自分では難しいことがあれば、「開業コンサルタント」できます。
     デメリット
        業態とコンセプトに合わせた出店物件を探すため、物件を見つけるのに時間を要します。

     
    ①市場調査
      店舗出店候補地が決まったら、市場調査を行います。
      市場調査とは、立地周辺の人口(統計データによる年齢別人口の推移状況、再開発などの街の変化の調査
      店舗前を通る人々は、勤めている人なのか、学生なのかなどや、その時間帯通行量を調べるなどを行い、お客様となる人々を絞り込みます。

    ②①の情報と店舗面積などにより、適した業態を設定。

    ③コンセプト(どこで、誰に、何を、なせ、どのように、営業時間、販売価格帯を具体的にすること)を決めます。

  • ステップ2:物件選定
    物件選定は、ステップ1の方法により異なります。 
      
    ①出店費用(補償金や敷金、家賃、契約更新料などの物件取得に必要な費用)を予算化。

    ②予算に合わせた物件を不動産会社やインターネット検索で探します。

    ③保証会社与信→投資資金準備→各種不動産契約
     出店したい物件が見つかったら、保証会社の与信を受け、与信が通り、
     ステップ3の投資資金が準備できることがわかったら、
     賃貸借契約や内装譲渡契約(居抜き物件の内装や設備(残置物)の買取契約)
     重要事項説明書の内容を確認し、質疑応答及び交渉を行い、契約締結します。
     
          
  • ステップ3:事業計画書と資金調達(融資・補助金など活用)を含む事業シミュレーション

    【事業計画】
    物件が決まったら、業態、コンセプト、メニュー概要と価格帯、取引先などの情報をまとめ、
    事業収支計画(売上、原価、水道光熱費や人件費などの経費、利益)の見込みとその根拠を導き出します。

    【事業シミュレーション】
    事業収支計画にお店を開業するための費用(投資額)の算出とその費用をどのように準備(融資先や補助金活用など)し、
    自分で用立てたお金の回収と借入金の返済をシミュレーションします。


  • ステップ4:設計施工業者の選定と施工、及び許認可申請

    【設計施工業者の選定】
    飲食店の設計、工事自責のある工事業者選び。物件に内装設備がないスケルトン物件の場合は、
    ①インターネットで飲食店の設計実績のある設計会社へステップ1の業態・コンセプト内容をものに依頼し、
     店舗の設計図を作成してもらいます。
    ②設計会社や開業コンサルタントなどの紹介やインターネットで飲食店施工実績のある施工会社を数社選定
     同時に厨房業者も選定します。
    ③設計図をもとに②の施工業者及び牛坊業業者に見積もりを取り、金額交渉を行い、施工業者を決定
    ④工事スケジュールをもとに、内装設備工事を実施。

  • ステップ5:人員計画

     まずは、運営スタイルであるオベレーションについての検討と決定が必要です。
     ①上記ステップ1の業態・コンセプトで決定したお店の概略をもとに、
      店舗の運営スタイルであるオベレーションを決定。
      運営スタイルとは、セルフサービス、ハーフセルフサービス、フルサービスといった方法があります。
     ②ステップ4の設計で作成された図面、社員や料理人、パート&アルバイトの人数構成に伴い、
      各スタッフの業務内容を考えながら人員数の決定や配置を決定します。
     ③社員や料理人、パート&アルバイトの開業前教育ツール(マニュアル類やルールなど)の作成
      売上管理や仕入れなどの運営のための管理ツールの方法を決定、
     ④スタッフ募集のための広告媒体の設定、求人原稿の作成、求人募集、面接、採用
     ⑤工事完了までの間に採用したスタッフの教育の実施
     
     
  • ステップ6:商品開発と価格戦略、各種業者の選定

    ①メニュー開発
     ステップ1の業態・コンセプトに合わせて、仕入れ業者(食材問屋、魚屋、肉屋、八百屋など)の食材を使いメニューを考案し、
     お客様である年齢の知り合いに試食してもらい、ヒヤリングやモニタリングによって試作を行い、
     決定したメニューの使用食材の費用(原価という)を割り出します。
    ②価格戦略
     上記、メニュー開発の原価及び市場調査実施時に行う「競合店調査」、モニタリング結果をものに販売価格を決定します。
     販売価格が決定したら、お客さまになったつもりで注文を組み立ててみて、試食してボリューム感を体感で満足感の有無を確認と、
     利用金額のシミュレーションを行い、販売価格と原価のバランスを考えます。
     また、メニュー開発と原価で重要な食器は、下記の③の業者から仕入れて実際に盛り付けてボリューム感を見ます。
    ③各種業者とは、ユニフォーム、食器、鍋や釜などの厨房備品、おしぼりやカトラリーなどのホール備品、掃除用具、
     事務用品、レジシステム、防犯システムなどお店で利用するものを仕入れる先を決定します。

     
  • ステップ6:販促・集客戦略(SNS、予約、デリバリー)

 ①販促
  販促とは「販売促進(セールスプロモーションともいう)」です。販売促進は、集客を行う広告宣伝のこと。
  飲食店の広告宣伝は、店舗周辺でのチラシ配布、再来店のための割引チケット、Googleマップ、固定客化のためのポイントシステムなど
  新規集客と固定客化のための戦略の構築。
 ②集客戦略(SNS、予約、デリバリー)
  ◆SNS
   インスタグラム、Facebook、エックス、YouTube、TikTokの活用による集客と運用
  ◆予約
   食べログ、ぐるなび、ホットペッパー、Googleマップなどの予約ポータルサイトなどの選定と活用。
  ◆デリバリー
   デリバリーとは出前のこと。店外売上を獲得する手法として昔からある手法です。
   自店でバイクを購入しデリバリーをする方法や、
   Ubereats、出前館といったデリバリーサイトと配送システムを活用する方法があります。
 
 以上のような集客をするための計画を開業前までに構築しておきます。特に新規開業の際は、
 知名度がないお店なので、地域のお客さまに1日でも早く知っていただき、
 お店のファン(固定客)になっていただくための取り組みとして販促計画の立案と実行しましょう。

 

  • ステップ7:オープン準備とオペレーション設計

 ●オープン準備
  店舗の内装工事が終了したら、オープン準備に入ります。
  ①清掃と厨房機器を含む店舗内機器の取り扱い説明
  ②ステップ6で選定した食器や厨房及びホールの備品、ユニフォーム、レジなどの納品、収納、設置
  ③レジや注文方法の設定
  ④レジ金(釣り銭)準備
  ⑤防犯システムの操作方法と作動確認
  ⑥照明コントロールの設定
  ⑦店頭のサンプル、ポップなどの準備及び設置
 

 ●オベレーション設計
  ①会計(レジ)トレーニング
  ②ホールは接客トレーニング研修、キッチンは調理研修を実施
  ③仮想トレーニング(テストラン)の実施と問題点抽出とその解決
  ④開店前と閉店後のオベレーションの確立とマニュアル化及びレクチャー 

ホテル 開業コンサル

 

開業コンサルタントの活用法

開業コンサルタントを利用するメリットと活用のポイントをご紹介します。
  • 相談のタイミング:構想初期~物件契約前までの注意点。お店を開業したいと考えたら、まずは、相談。
             ①お店を開業するための資金(=投資額)の予算を知ること
              資金は業種業態や店舗面積、出店場所まどによって異なります。
             ②店舗の物件を探すためには、
              ・事業全体のビジョン(将来どうなりたいのか)
              ・開業したいお店のイメージ(何屋さん)
              ・資金に合わせた店舗面積、出店階層、出店地域、部圏取得費用の設定
              
  • どこまでお願いできるか:事業計画、資金調達支援、店舗設計、オペレーション設計、研修、マーケティングなど
    上記ステップを含め、わからないことは何でも相談ください。
  • 報酬形態:
     成功報酬型、固定契約型、顧問型
     ・成功報酬型:開業後、利益状況による成果報酬型
     ・固定契約型:開業までのコンサルタンティング契約
     ・顧問型:開業から開業後までフルサポート契約
  • コンサル選びの基準:過去実績、業態の専門性、口コミ・紹介、契約時の条件確認
  • 契約上の注意点:成果物の明確化、契約期間、秘密保持条項、途中解除条件など
  • 活用後:開業後のフォロー(経営改善、販促支援、売上管理
     ・経営改善;接客スキルアップ、既存メニュー分析と新メニュー開発、メニュー原価管理、
           クレームやコンプライアンス対応など
     ・販促支援:集客及び固定客化のための広告宣伝及びシステムの構築及びPDCAなど
     ・売上管理:売上分析及び改善、計数管理分析及び改善など

 

 

成功・失敗の事例紹介

実際の事例を交えて、何が成功したか、どこで失敗したかを明らかにします。
  • 成功事例:

    1)飲食店 鍋物専門店
    課題:売上の向上したい
    コンサルティング実施内容:
    ①定期的な販売促進(周年イベントや新メニュー、季節メニュー、アプリ会員への告知、ニュースペーパー、SNS告知)
    ②補助金を活用した冷凍食品販売’(通販とテイクアウト)強化
    結果;前年対比112%、客数113%アップ(値上げなど部分は除外)

    2)ホテル 民宿
    課題:損益チェックした結果、売り上げは伸びているが利益が悪いため改善したい
    コンサルティング実施内容:
    ①既存料飲メニューの原価率の抽出理想原価の割り出し
    ②月間棚卸しを徹底し、ロス率をチェックし加算した実質原価を算出
    ③理論原価と実質原価の差異を算出
    ④料飲メニュー内容の見直しとして、仕入れ先の見直し及び交渉、レシピの見直し(内容、量、調理時の目分量を極力なくすレシピに改変など)
    ⑤レシピを忠実に厳守した調理
    ⑤宿泊料金のバランスを見直し
    ⑥上記⑤までを実行し3ヶ月①から③を実行
    結果;利益率平均前年比11%を確保

    3)商業施設内テナント飲食店
    課題:売上の向上
    コンサルティング実施内容:
    ①テナント全体研修によるおすすめメニュー導入計画の立案(メニュー開発方法、サービス強化実行プラン)とPDCAサイクル研修
    ②実施店舗は、おすすめメニューを日替わりランチよりも100円高いランチに設定
    ③店頭でのメニューを迷っているお客様へのお声がけと上記②のセールス実施
    結果;
    ランチメニューだけでなく、他の商品や客数の呼び込みが成功した結果
    ランチ客単価が平均48円アップ。100円アップしたランチ販売目標1日650食→平均96食
    ランチとアイドルタイム回転率の上昇、実施前は1日2.5回転→実施後3.4回転

  • 失敗事例:

    1)飲食店 焼肉店
    課題:2店舗を経営。コロナ禍では政府の補助金があり、2店舗を維持できていたが、コロナ明けになると事業収支が悪化
    コンサルティング実施内容:
    ①2号店のコロナ前とコロナ後の店舗ごとの事業収支を検討した結果、人件費オーバーによるPLの悪化が確認できた
    ②店長の移動と検討したが、本店の店長が退職することとなり、後任スタッフも育っていなかったこと
    結果と対策:
    時間的に再教育して複数店を維持できるまでに事業自体が廃業となる可能性があり、やむなく2号店を閉店

    相談段階で難しいという判断となった。対策として、常にスタッフの教育を怠らないことでリスクヘッジすることが重要。


    2)商業施設テナント 飲食店
    課題:お客様からの苦情対策ができておらず、売上低迷
    コンサルティング実施内容:
    ①施設側より苦情対策の指導依頼
    ②現状店舗を覆面調査及びネット上の口コミチェック、施設内に寄せられたクレーム内容チェック
    ③本部上層部、本部バイザー、店長と①を元の面談
    ④対策:問題の多いスタッフの抽出と面談、クレーム対応研修の実施の提案。
    ⑤費用的に難しく相談先社内で対応となった
    結果と対策:
    半年後に撤退(閉店)。商業施設に対するお客様の目線は、町場のお店と異なりかなり厳しいのが現状。そのため、クレーム対策だけでなく、接客サービス向上のために覆面調査や研修を定期的に実施することで、クレームが少ないお店になり、ひいては集客が向上して売上につながるケースも多い。


筆者情報・信頼性の根拠

IdeaREST 代表  門 浩司 / Hiroshi Mon
プロデューサー & コンサルタント歴 32年

1964年兵庫県神戸市生まれ

㈱サンコトブキにて 様々な業種業態の店長を歴任後、 「プライムガーデン (東京)」店長を経て プロデューサーに転身。「 湘南国際村 」、 神戸ハーバーランド 「キリン ・ ハーバープレイス quiqui 」、 飲食店 サポート サービス 「 キリン ドラフトマスターズ クラブ」 事務局運営 などの大型プロジェクトに参画。 ㈱コロンブスのたまご入社後、 9年間 コンサルティング業務にあたり、 平成22年、 Idea REST( イデアレスト )として独立。 飲食店プロデュース & コンサルティングの指導実績は700件を超える。

●学校法人 服部栄養専門学校 服部学園 非常勤講師
公益財団法人石川県、和歌山県、鹿児島県、岡山県、沖縄県 専門家
●スマートエキスパート 専門家
●商工会議所 エキスパート派遣事業 専門家

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