飲食店開業 リニューアル事例① メニューコンセプトを決める

今回より数回に渡り、IdeaRESTが手がけた店舗のリニューアル事例をご紹介!
リニューアル&コンサルティング業務の流れや、メニュー開発の方法、デザインワークの実例など、
くわしくご紹介して参ります

今回、リニューアルのご相談を頂いたのは、
富山県砺波市で親子3代続く“うどん匠”のお店「めん食堂 川なべ」様。

入口を入ると大きなお狸様がお出迎え。

狸

ご主人が腕をふるう本格手打ちうどんがおいしいお店です。

店舗は、県内で5本の指に入る交通量があるロードサイドの好立地にありますが、
ここ1~2年で、近隣に大手チェーンなど競合店が続々と出店。
これを機に、伝統ある「匠のうどん」を活かした新たなオリジナルメニューの開発と、
老朽化が進んでいた店舗の補修、サイン類の変更により競合店との差別化を計る
リニューアル計画がスタートしました。

<店舗視察/ヒアリング/競合店調査>

 まずは、対象店舗を視察し、現状についてじっくりとヒアリング。
 近隣競合店13店舗にも足を運び、1店ごとに40項目を超えるポイントをチェックします。
 さらに、エリアの年齢別人口、人口推移、交通量や、主要ランドマークの確認などの
 マーケティング調査を実施し、結果に基づいてオーナー様と意見交換を重ねながら、
 改善箇所の洗い出しを行います。

ココがポイント!
 わかっているようで意外と知らない“近隣競合店の実態”。
 周囲のお店をよく知る事で、「自店の強みは何か?」「お客様が求めている物は何か?」
 「自店に足りない物は何か?」が明確に浮かび上がってきます。

 

<メニューコンセプトの決定>

 上記の結果を受け、今回のリニューアルプロジェクトの核となる「メニューコンセプト」を決定します。
 コンセプトを明確に打ち出す事は、目標を具現化する上でとても重要な作業です。
 
【メニューコンセプト】

 ①「川なべ」様の大きな強みである“伝統ある手打ちうどんの技”と“自家農園でつくる有機野菜”
  これらを最大限に生かして、幅広い年齢層に愛され、
  他店にはまねできないオリジナリティあふれるメニューの開発。

 ②観光客を取込むご当地メニューの開発。
  他県からの車の出入りも多い立地ながら、近隣ロードサイドには砺波の名産を取り扱ったお店が
  なかったため、名産品を取り入れたメニューを開発し観光客の誘致を目指す。

 ③うどん業態が弱い夜の集客を高めるためのアイコンとなるメニューの開発。
  単にメニュー数を増やすのではなく、「もうひとつの専門業態」としてメニューを絞り込むことで、
  クオリティーを高め、お客様への認知を促す。

 
ココがポイント!
 うどん/そば専門店では、夜の集客に悩んでおられるお店が多くあります。
 これまで、定食・丼ものを増やす、居酒屋メニューを展開するなど、「+αメニュー」を取り入れた例は
 数多くありますが、「“軽食”のイメージから抜け出せない」「“この店のコレ”という印象に残る料理が
 ない」「メニュー数が多すぎて仕入れ/仕材コストがかかりすぎる」など、そのバランスが難しいもの。
 
 「+αメニュー」を絞り込み、明確化してより専門性を高めることによって、それぞれの業態のファンを
 取り込み、“この店のコレ”を目指してお客様が足を運んで下さる“アイコン効果”が高まると同時に、
 仕入れ/仕材にかかる費用もコンパクトに設定できます。

 
次回は、オーナー様と共同開発した新メニューをご紹介いたします