先日、焼肉店で発生した食中毒のニュースは、飲食店を利用する人々、そして、
私達、外食産業に携わる者にとって大きな衝撃となりました。
亡くなられた方のご遺族をはじめ、今もたくさんの方が苦しんでおられます。

飲食店を運営する全ての人が、食中毒の危険性を改めて認識し、
外食産業が提供する、“おいしさ” “たのしさ” “感動” の大前提に “安全・安心” があると、
利用する皆様からの信頼を取り戻して行きたいですね。

これからの季節が、最も食中毒の危険性が高まるシーズン。そして今夏は節電対策として、
室温コントロールや冷却設備が思うようにならない場合も懸念されます。
改めて、衛生管理方法を見直し衛生管理マニュアルを整備する等、スタッフ全員が徹底できる環境作りを
行いましょう。

基本的な衛生管理の再確認です⇩

 ・手洗いの励行
   基本中の基本ですが、肘下から手首・爪の間なども充分に洗い除菌をする適切な「手洗い」の実践で
   食中毒の危険度が大きく変わると言われています。
 
 ・温度管理
   「加熱=安心」ではありません。
   耐熱性の高い菌もあり、加熱して生き残った菌が適温になると再度繁殖をはじめます。
   仕込み食材(カレー・スープ・煮込み等)も常温放置せずに、氷などで
   急速に冷やし冷蔵庫保管するか、継続的に加熱するなどの注意が必要です
   
   「冷蔵庫=安心」ではありません。
   それぞれの食材に適した温度がある事、開閉頻度などにより庫内の温度が変化する事を
   考慮しましょう。
   冷凍冷蔵庫・コールドテーブル・ストッカー等を適切に使い分け、
   「長期間保存したいもの」「短時間に使い切るもの」「温度変化に弱いもの」・・などで
   保管場所を工夫し、安全度を高めます。また、定期的に庫内の温度を記録しておくと、
   外気に合わせた適切な温度調節ができますし、不具合の早期発見にもつながります。
 
 ・調理器具の洗浄/消毒
   効果的な方法に則った洗浄/消毒の徹底を行い、肉・魚にある菌が生食用の野菜等に移らないよう、
   肉用・魚用・野菜用と、それぞれに専用の器具を使用しましょう。

 ・厨房内の清掃/整理整頓
   食材の残りが放置されていたり、ダンボール等が厨房に持ち込まれていると、
   ねずみやゴキブリ等害虫の温床となります。
   常に、清掃しやすい清潔な環境を維持し、害虫駆除等は定期的に行いましょう。

また、今回の問題の争点にもなっている食材の安全性と仕込み方法。
「どんな食材」を「どこから」「どのように仕入れ」「どのように使うか」?
経営者の判断が、“安心・安全”の確保に非常に重要である事が改めて示されました。

飲食店経営において、最も大切な食の“安心・安全”

食中毒は、人命を脅かし、築き上げた全てを奪い取る威力があります。
是非、信頼できる第三者機関のチェックや指導を定期的に受ける事をお勧め致します。

弊社では、飲食店で実務経験が無い方の出店のご相談も多くお受けしており、
提供したい料理のイメージを伺いながら、衛生管理の視点からも、そのために必要な厨房機器や、
食材の取扱い方法、調理方法、除菌・清掃方法なども具体的にアドバイスさせて頂いております。

また、長年運営している店舗で「自己流」で行っている衛生管理が不十分であったり、
いつのまにか衛生管理ルールが曖昧になってしまっているケースも多くみられます。
イデアレストの店舗実態調査では、ご希望に応じて厨房内の衛生管理状況も確認・指導させて頂きます。
どうぞ、ご利用ください。