2020.5.13.コロナ禍で広まるテイクアウトやデリバリー、通販の注意点と食中毒に気をつけて!

昨日、ニュースで売上が困窮している飲食店が売上を取るためにテイクアウトやデリバリーを急遽導入したことで、
食中毒が拡大傾向にあるとのことで、
そこで紹介された内容には、前日仕込んだカレールゥを翌日、再加熱処理せず、
自分で試食しお腹を壊さなかったからそのまま販売した。というケースが紹介されびっくり!


現在、テイクアウトやデリバリーを導入検討、あるいは、導入している飲食店経営者の皆様、再度自店を確認してみてください。

 

 

飲食店はその場で作ったもののみを販売できる

 飲食店の営業許可書を保有して営業をしている飲食店が販売できる商品は、お客様がお店にお弁当や既存メニューの料理を買いに来て、注文を受けてから調理をして提供するテイクアウト商品は販売可能。
 提供する際は、「お早めにお召し上がりください」と伝えて渡すのがポイント。お客様が12時に買いに来て、「夜ご飯で食べたい」と言われたら、基本的には販売してはならない。なぜか言うと、「惣菜製造免許」を取得し、資格に基づいた販売基準を遵守していないから。簡単に言うと、持ち帰り時間や外気温(冬と夏では気温差が違う)などの諸条件により、その商品の消費期限に飲食店として責任を持つことができないからです。

しかし、飲食店で作り置き置きしているお弁当やおかずなどは、「惣菜製造免許」およびコンビニ弁当のように製造シール(内容物の記載、消費期限、製造日時、製造元、販売元などが記載されているシール)の添付。消費期限が過ぎると廃棄するというルールのもとに販売できます。

 

 

テイクアウトとデリバリーで食中毒に注意する

食品衛生の3原則ハンドブック引用

今までイートイン(店内)飲食では、お客様が作った料理をその場で召し上がるということから、手洗いの徹底、食品に加熱処理や鮮度の良い状態の生物をできる限り手に触れずに調理して提供するなどで、食中毒を防止することができた。

しかし、テイクアウトとデリバリーは異なる!

●料理を運ぶ状態によって食中毒は起こる危険率がアップ
 例えば、夏場にテイクアウトで購入した商品を車に入れたまま、1時間以上放置した。あるいは、デリバリー後、常温で1時間室内で放置したことで、
 商品の温度は徐々に冷めていき、食中毒を引き起こす温度帯(10℃から45℃)へになり菌が発生して食中毒になる
 対応として、持ち歩き時間が長い、あるいは、食べるまでに時間がかかる場合は、食べる時間をお客様に確認の上、販売する。


 基本的に必ず、“下記のポイントを確認すること”をする

 ■持ち帰り時間の確認/30分以内
 ■帰宅、帰社後、すぐ召し上がっていただくよう説明
 ■すぐに食べないようであれば、冷えている料理は冷蔵庫へすぐに入れる

  温かい料理はすぐに食べてもらうよう説明

 ※受け渡しの際に無言で渡すのは、
  食中毒への注意喚起ができていないこととなり、
  食中毒が発生した時の説明責任を怠ったことによる責任と補償を行うこととなります。

●カレーやシチュー、ソースなど、仕込み食材は、
必ず販売する当日に火入れ(加熱する 食品の中心温度が85度以上1分以上加熱。カレーに入っているじゃがいもや肉などの具材の中心温度を測る。ルゥの温度ではないので注意する

●本日、厚生労働省でも注意喚起が発表されました。馬刺などの生肉、生卵や半熟卵、刺身やカルパッチョなどの生魚は持ち帰りお弁当に入れない。
あるいは、冷たい食材と温かい食材を別パッケージに入れて、
冷たい食品には保冷剤をつけて、袋を密閉する

温かいご飯やおかずと一緒に入れる刺身を入れたお弁当は、
持ち帰り時間によって、菌が増殖する温度帯(特に夏場)に弁当内の温度が上昇し菌が増殖して食中毒をひき起こす。
そのための対策として、刺身やカルパッチョなどと温かい加熱食材を個別の弁当バッケージに入れて、
かつ、刺身には保冷剤をつけるようにすることで最大持ち歩き時間が、夏は30分。冬は1時間程度まで引き延ばせる。
常温販売は食中毒をひき起こす危険率がアップします。お客様の健康を考えた販売を心がけましょう。

●身だしなみ徹底
 使い捨て手袋を使った盛り込み、帽子、マスク、エプロン、ユニフォーム、専用靴の着用

●食器で提供する場合、必ず、洗浄、利用時に食品アルコールで消毒

●おかもちやデリバリーバックの消毒:一度利用したら必ずアルコールスプレーで除菌

●定期的な検便検査。仕事前の検温と体調チェック

●手洗いを行い、アルコール洗浄して仕事に臨む

●商品をお客様にお渡しする際、手渡しは避ける

といった注意点を徹底的に守る

 

 

飲食店営業許可書で販売できないもの

飲食店営業許可書で販売できないものの例として、
 ●ラーメン店の自家製面販売=麺製造免許
 ●作り置き弁当やデリの販売=惣菜製造免許
 ●ソース類やオリジナルスパイスの販売=ソース製造免許や調味料製造免許
 ●生肉の販売=食肉販売業、食料品販売業
 ●チャーシュー、角煮、ローストビーフなどの加工肉販売=食肉製品製造業
 ●冷凍、冷蔵食品の販売=食品の冷凍または冷蔵業
 ●ケーキの販売=菓子製造業
 ●アイスクリームの販売=アイスクリーム製造業

など、販売する商品が決まったら必ず、所轄の保健所に確認して、免許およびその免許を取得するための設備を確認するために、既存店舗の図面を持って相談に必ず行ってください。自己判断で販売を開始した場合、罰則があります。

営業許可は「食中毒防止」の観点からもお店だけでなく、購買者であるお客様の健康を守ることにつながります。
特に、飲食店営業許可書以外の食品製造に関する免許は、製造番号の取得、細菌検査、製造や貯蔵環境、衛生面の徹底など厳しく規制を守りながら営業に取り組んでください。

 

弊社ではテイクアウト&デリバリーをフルササポートしています。
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