目次[閉じる]
- 1第1章|なぜ今、日本の飲食店はアジア圏に出店したいのか
- 2第2章|中国で日系外食の撤退が相次ぐ本当の理由
- 3第3章|最近は「中国出店」をアピールしない方が評価される理由
- 4第4章|韓国・台湾・シンガポール・タイの現実― 出店は可能だが「慎重判断」が必要な国々 ―
- 5第5章|なぜ今、ベトナムが「最注目国」なのか
- 6第6章|インドネシアが「中長期で外せない」理由
- 7第7章|海外出店で最重要となる「メニュー開発」の考え方― 成功も失敗も、メニューでほぼ決まる ―
- 8第8章|なぜ「日本と同じ味」を出してはいけないのか
- 9第9章|海外出店コンサルが果たす本当の役割― 情報提供ではなく「判断を助ける存在」 ―
- 10第10章|失敗する飲食店と成功する飲食店の決定的な違い― 海外出店で「明暗が分かれる瞬間」 ―
- 11第11章|アジア圏出店に関するよくある質問(Q&A)
- 12第12章|まとめ|アジア圏出店の正解とは
- 13海外出店をご検討中の方へ|無料相談のご案内
なお、本記事で解説している内容は、 実際の無料相談の中で、 「どの国に出店すべきか」「今は動くべきか」 といった判断材料として具体的に整理しています。
近年、アジア圏への飲食店出店を検討する日本の外食企業が急増しています。 一方で、中国を中心に日系外食企業の撤退が相次ぎ、 「海外出店=成功」という時代はすでに終わりを迎えています。
私はこれまで、中国(上海・福州・香港)、ベトナム、インドネシアを中心に、 海外向け飲食店メニュー開発および出店支援コンサルを行ってきました。
その実務経験から断言できるのは、 今は「どの国に出店するか」で結果の9割が決まる時代だということです。
本記事では、アジア圏に出店する飲食店が直面している現実と、 今後本当に注目すべき国、そして失敗しないための考え方を、 現場視点で詳しく解説します。
第1章|なぜ今、日本の飲食店はアジア圏に出店したいのか
日本国内の外食市場は、人口減少・人手不足・原価高騰といった 構造的な問題を抱えています。 そのため、多くの外食企業が「次の成長市場」として アジア圏に目を向けるようになりました。



特にアジア圏では、日本の外食モデルそのものが高く評価されています。 これは和食ブームという単純な話ではありません。
・メニューの分かりやすさ
・価格帯の明確さ
・回転率を意識したオペレーション
・清潔感のある店舗設計
これらは、かつて日本が欧米料理を学び、 外食産業を急成長させた過程と非常によく似ています。
現在のアジア圏は、まさに 「日本外食を学び、取り入れたいフェーズ」 に入っているのです。
第2章|中国で日系外食の撤退が相次ぐ本当の理由



一時期、「巨大市場」として注目を集めていた中国ですが、 近年は日系外食企業の撤退が相次いでいます。
その理由は、単なる景気悪化ではありません。 複数の構造的リスクが重なっているのが実情です。
① ジャパンパッシングによる物流リスク
政治的な影響により、日本からの食材が港で止まる、 輸送が遅れるといった事例は珍しくありません。
② 送金・関税・外貨規制の問題
利益が出ても、日本に自由に送金できない、 予期せぬ関税が発生するなど、 事業計画が成立しにくい状況があります。
③ 人件費・家賃の急上昇
都市部では人件費・賃料ともに高騰し、 日本と変わらない、あるいはそれ以上の コスト構造になっているケースも増えています。
これらの要因が重なり、 「中国はリスクが高すぎる市場」 と判断する企業が増えているのです。
第3章|最近は「中国出店」をアピールしない方が評価される理由


飲食店海外出店
飲食店海外出店メニュー開発
中国出店を含めたアジア戦略は、 「良い・悪い」ではなく、 今のフェーズに合っているかどうか で判断する必要があります。
ここ数年、海外出店を検討する経営者や投資家の間で、 明確な変化が起きています。
それは、 「中国出店を強くアピールしない方が、むしろ評価される」 という流れです。
以前は「中国に出店している=海外実績がある」 と評価されることが多くありました。
しかし現在は、
「なぜ今、中国なのか?」
「撤退リスクをどう考えているのか?」
「他の選択肢は検討したのか?」
といった、より厳しい視点で見られるようになっています。
実際、最近の中国における日本外食企業の相次ぐ撤退を見ていると、 中国出店を前面に出さない方が、 出店戦略として“堅実”だと受け取られるケースも増えています。
これは中国が悪いという話ではありません。
今の時代は、国の成長フェーズ・政治リスク・コスト構造を冷静に見極め、 最適な国を選ぶことが求められている ということです。
第4章|韓国・台湾・シンガポール・タイの現実 ― 出店は可能だが「慎重判断」が必要な国々 ―
第4章|韓国・台湾・シンガポール・タイの現実
― 出店は可能だが「慎重判断」が必要な国々 ―

アジア圏の中には、「出店できないわけではないが、 戦略なしに挑戦すると失敗しやすい国」も存在します。
ここでは、相談件数が多い 韓国・台湾・シンガポール・タイについて、 実務視点で解説します。
韓国|政治・感情リスクが事業に直結する市場
韓国|政治・感情リスクが事業に直結する市場
韓国は、外食市場としての成熟度は高いものの、 日本企業にとっては特有のリスクがあります。
代表的なのが、日韓関係の悪化に伴う 日本製品・日本ブランドへの不買運動です。
実際、過去には政治的な問題をきっかけに、 売上が急減し、閉店に追い込まれた日本飲食店も少なくありません。
このように、経営努力では回避できないリスクが 常に存在する点が、韓国出店の最大の難しさです。
台湾|親日だが地政学リスクを無視できない
台湾|親日だが地政学リスクを無視できない
台湾は、親日的で日本食の受容度も高く、 比較的出店しやすい国とされています。
実際、多くの日本外食チェーンが進出し、 一定の成功を収めています。
一方で、中国情勢の影響を強く受けるという 地政学的な不安定さも抱えています。
短期的な出店であれば問題にならないケースもありますが、 長期戦略を前提とする場合は慎重な判断が必要です。
シンガポール|高コスト構造を理解できるかが鍵
シンガポールは、 アジアの中でも特に外食レベルが高い国です。
しかし、賃料・人件費・原価すべてが高く、 日本よりも厳しい利益構造になることも珍しくありません。
ショッピングセンター内テナントでなければ 集客が難しいケースも多く、 立地依存度が非常に高い点も特徴です。
ブランド力があり、価格耐性のある業態でなければ、 長期的な成功は難しい市場と言えます。
タイ|一見魅力的だがレッドオーシャン
タイ|一見魅力的だがレッドオーシャン
タイは、日本人にとって馴染みが深く、 一見すると出店しやすい市場に見えます。
しかし近年は、急激な物価上昇により、 人件費・原材料費ともに上昇しています。
その結果、日本とほぼ変わらない、 場合によってはそれ以上に厳しい 利益構造になるケースも増えています。
加えて、日本食業態はすでに飽和状態に近く、 明確な差別化がなければ埋もれてしまう レッドオーシャン市場です。
第5章|なぜ今、ベトナムが「最注目国」なのか


ベトナム出店は、 すべての飲食店に向いているわけではありません。
業態・価格帯・将来展開によって 向き不向きが大きく分かれます。
ここからは、私が現在もっとも注目している国の一つ、 :contentReference[oaicite:6]{index=6}について解説します。
結論から言うと、 今のベトナムは、かつての中国やタイよりも 「健全な成長フェーズ」にあります。
理由①|独資(100%出資)での出店が可能
ベトナムでは、比較的低い資本金で、 外国企業が独資(100%出資)での 飲食店開業が可能です。
これは、現地パートナーに依存せず、 経営判断を自社で完結できる という大きなメリットがあります。
理由②|若く、伸び続ける市場
ベトナムは人口構成が若く、 中間層が急速に拡大しています。
外食を「特別なもの」ではなく、 日常的に楽しむ文化が広がりつつあり、 今後も市場拡大が見込まれます。
理由③|日本外食モデルとの相性
清潔感、価格の分かりやすさ、 安定した味とサービス。
これらの日本外食の強みは、 ベトナム市場と非常に相性が良いと感じています。
第6章|インドネシアが「中長期で外せない」理由

もう一つ、長期視点で外せない国がインドネシアです。
強み①|圧倒的な人口規模
インドネシアは、東南アジア最大の人口を抱える国です。
短期的な収益だけでなく、 10年単位での成長を考えると、 非常に魅力的な市場です。
強み②|外食市場はまだ成長途中
日本食はすでに一定の認知がありますが、 市場全体としてはまだ発展途上です。
そのため、正しい設計で入れば、 先行者優位を築ける余地が残っています。
インドネシア出店で注意すべき点
一方で、インドネシアでは 宗教・文化への配慮が不可欠です。
特にメニュー設計では、 原材料や調理工程に注意が必要になります。
この点を理解せずに出店すると、 現地で受け入れられないケースもあるため、 事前設計が極めて重要です。
インドネシアは、 短期利益よりも中長期成長を重視する企業に向いた市場です。
▶︎ インドネシア出店の可能性を相談する
第7章|海外出店で最重要となる「メニュー開発」の考え方
― 成功も失敗も、メニューでほぼ決まる ―
海外出店というと、多くの経営者は 「物件」「人材」「法規制」といった点に目を向けがちです。
しかし、実務の現場で何度も見てきた結論は明確です。 海外出店の成否は、ほぼメニューで決まります。
どれだけ立地が良くても、どれだけ人材が揃っていても、 現地で「選ばれないメニュー」では、 継続的な集客は不可能です。
日本の成功体験が、そのまま失敗要因になる理由
海外出店で最も多い失敗は、 「日本で売れているメニューを、そのまま持っていく」 という発想です。
日本での成功体験があるほど、 この罠にはまりやすくなります。
しかし、海外では
・食文化
・味の好み
・価格感覚
・食事の目的
すべてが日本とは異なります。
にもかかわらず、日本と同じ味、同じボリューム、 同じ価格構成で勝負すると、 「悪くはないが、また来たいと思わない店」 になってしまうのです。
成功する海外向けメニューの3原則
私が海外出店コンサルで必ずお伝えしているのは、 以下の3原則です。
① 日本と同じ味を出さない
② 現地に寄せすぎない
③ 原価・オペレーションを最優先で設計する
このバランスを外すと、 いずれ必ず行き詰まります。
「ローカライズ=現地化」ではない
ローカライズという言葉は便利ですが、 誤解されやすい言葉でもあります。
ローカライズとは、 現地の料理に寄せることではありません。
現地の人が 「分かりやすく」「選びやすく」「安心して注文できる」 形に再設計することです。
日本のエッセンスを残しつつ、 現地の食習慣に適応させる。
この設計ができるかどうかが、 海外出店の分かれ道になります。
第8章|なぜ「日本と同じ味」を出してはいけないのか
「日本と同じ味を出せば、日本食として評価される」
これは、海外出店を考える際によく聞く言葉ですが、 実務上はほぼ間違いです。
味覚の違いは、想像以上に大きい
日本人は、世界的に見ても 「繊細な味覚」を持つ民族です。
一方、アジア圏では
・分かりやすい味
・甘味、塩味、旨味がはっきりした味
・食後の満足感
が好まれる傾向があります。
そのため、日本で評価される 「上品で控えめな味」は、 海外では印象に残らないことが多いのです。
「本場の味」は、必ずしも正解ではない
海外で「本場の味」を売りにすると、 一定の評価は得られます。
しかし、それは多くの場合、
・一部の日本好き
・日本在住経験者
・日本企業関係者
といった狭い層に限られます。
外食として成功するためには、 現地の一般層に選ばれる必要があります。
そのためには、「本場」よりも 「分かりやすく、美味しい」ことが重要なのです。
原価とオペレーションを壊す「こだわり」
日本と同じ味を再現しようとすると、
・日本食材への依存
・複雑な仕込み工程
・職人依存の調理
といった問題が発生します。
結果として、 原価が合わず、再現性のない店 になってしまうのです。
海外出店では、 「美味しさ」よりも先に 続けられる設計が必要です。
第9章|海外出店コンサルが果たす本当の役割
― 情報提供ではなく「判断を助ける存在」 ―

海外出店では、 「調べれば分かる情報」と 「やってみないと分からない現実」 が必ず存在します。
そのギャップを埋めるのが、 実務経験を持つ海外出店コンサルの役割です。
海外出店コンサルというと、 「手続き代行」や「情報提供」を イメージされる方も多いかもしれません。
しかし、本来の役割はそこではありません。
本当の役割①|出店しない判断を含めて整理する
最も重要なのは、 「出店しない」という判断も含めて整理すること です。
無理な海外出店は、 時間・お金・人材を一気に消耗させます。
だからこそ、 「今は行かない方がいい」 「別の国の方が成功確率が高い」
といった判断を、感情ではなく 構造で説明することが、 コンサルの価値になります。
本当の役割②|事業として成立する形に設計する
海外出店は、夢やロマンでは続きません。
・利益が出るか
・再現できるか
・撤退ラインはどこか
こうした点を含めて、 事業として成立する形 に落とし込む必要があります。
本当の役割③|「現地で起きること」を事前に想定する
本当の役割③|「現地で起きること」を事前に想定する
海外出店では、 想定外のことが必ず起こります。
その想定外を、 「想定内」にしておくこと。
これが、実務経験のある 海外出店コンサルの最大の価値です。
第10章|失敗する飲食店と成功する飲食店の決定的な違い ― 海外出店で「明暗が分かれる瞬間」 ―
第10章|失敗する飲食店と成功する飲食店の決定的な違い
― 海外出店で「明暗が分かれる瞬間」 ―

海外出店の現場を見ていると、 成功する飲食店と失敗する飲食店の差は、 決して能力や情熱の差ではありません。
違いは、「判断の仕方」にあります。
失敗する飲食店の共通点
失敗する飲食店の共通点
失敗するケースには、いくつかの共通点があります。
- 日本での成功体験を疑わない
- 国選びを「勢い」や「縁」で決めている
- 現地事情を深く調べる前に契約してしまう
- 撤退ラインを決めていない
特に多いのが、 「中国で成功しているから、次も中国でいけるはず」 という思考です。
しかし前述の通り、現在の中国市場は 過去とはまったく別の環境になっています。
成功する飲食店の共通点
成功する飲食店の共通点
一方で、成功する飲食店には 次のような特徴があります。
- 国選びを最重要テーマとしている
- 最初から「日本と同じ店」を作ろうとしない
- 小さく始めて検証する
- 撤退も戦略の一部として考えている
これらの企業は、 海外出店を「挑戦」ではなく「事業」 として捉えています。
第11章|アジア圏出店に関するよくある質問(Q&A)
第11章|アジア圏出店に関するよくある質問(Q&A)
Q1. 今から中国出店は本当にやめた方がいいのでしょうか?
一概に「やめるべき」とは言えません。
ただし、 中国出店は「高難易度市場」 であることを理解した上で、 十分な準備と覚悟が必要です。
最近は、 中国出店を強くアピールしない方が、 むしろ堅実な経営判断として評価される ケースも増えています。
Q2. ベトナムとインドネシア、どちらが先ですか?
多くのケースでは、 ベトナム → インドネシア の順番をおすすめしています。
ベトナムは検証スピードが早く、 インドネシアは中長期の成長市場です。
Q3. 海外出店は何店舗目から成功と言えますか?
1店舗目は「実験」です。
2店舗目以降で再現できて初めて、 事業として成功していると言えます。
第12章|まとめ|アジア圏出店の正解とは
第12章|まとめ|アジア圏出店の正解とは
アジア圏への飲食店出店は、 今後も大きなチャンスであることに変わりはありません。
しかし、その一方で、 「どこに出店するか」「どう設計するか」を誤ると、 大きなリスクにもなります。
特に近年は、中国における日本外食企業の撤退が相次ぎ、 出店戦略の見直しが不可欠な時代 に入っています。
その中で、 ベトナム・インドネシアは、現時点で最も現実的な選択肢 と言えるでしょう。
重要なのは、 海外出店を「夢」ではなく「事業」として設計すること です。
海外出店をご検討中の方へ|無料相談のご案内
「アジア圏に出店したいが、どの国が正解か分からない」
「中国撤退が続く中、次の一手をどうするべきか悩んでいる」
私はこれまで、 中国(上海・福州・香港)、ベトナム、インドネシア を中心に、海外向け飲食店メニュー開発・出店支援を行ってきました。
その経験をもとに、 今、貴社が取るべき最適な海外出店戦略 を初回無料で整理します。
お問合せ・無料相談のご案内 飲食店に関する無料相談を受付中です。 飲食店コンサルティングをご希望の方は、こちらからお問い合わせください。
▶ 無料オンライン相談受付中! お問い合わせは、電話 045-567-2900 または、下記の問い合わせフォームよりご連絡ください。
